何十年か前までは和式便器が主流でしたが、今や水洗トイレが家庭に広く普及している時代です。
お金をかければ通常の水洗トイレから様々なことをオートでやってもらえるような、機械的なトイレも出てきています。
今回は基本的な水洗トイレの構造とその仕組みに関して、より詳しくご紹介していきます。
2種類ある水洗トイレの仕組み
水洗トイレには以下の種類が存在しています。
- タンクレス
- タンクあり
タンクを設置しないタンクレスと、従来型となるタンクありの2種類になります。
ここからは、上記の水洗トイレ2種類の仕組みに関してより詳しくご説明いたします。
タンクレス
従来の水洗トイレはタンクから水を使って流すものでしたが、それを排除し給水管から直接水を使って流すのがタンクレスです。
タンクがないためその分スッキリとしたデザインのトイレとなり、より個室内の空間を広々と使えるようになっています。
また給水管から直接水を供給するようにしたため、精密に水量を制御でき水の使用量を大幅削減することに成功しています。
タンクあり
便器の背中側に水タンクを設置し、取り付けられたレバーを操作することで便器に水を流すことができるのがタンクありの水洗トイレです。
色々なタイプの洋式トイレが出ていますが、タンクありは昔からある代表的なタイプとなっており、様々な家庭で取り入れられています。
タンク内部にはポールタップ・フロートバルブといったものが組み込まれていて、水の量を調節することで節約などを行うことができます。
トイレの構造について
トイレの構造としては以下のように分けることができます。
- 止水栓
- フロートバルブ
- オーバーフロー管
- ボールタップ
- タンク
- 排水路
- 水たまり
止水栓を始めフロートバルブやオーバーフロー管・ボールタップ・タンク・排水路・水たまりの7つになります。
下記では上記7つに分かれているトイレの構造について、1つずつ詳細にお話していきます。
止水栓
水の流れをコントロールしている大元となるもので、閉めるとトイレへの水が完全に止まるのが止水栓です。
ここを開けすぎるとタンクや便器から水漏れが発生しますし、閉めすぎると水が流れなくなって困ります。
適量の水がちゃんと流れるようにある程度止水栓を調整する必要があります。
フロートバルブ
細かい部品で構成されているフロートバルブは、それらの部品でトイレの水位をオートで調整しています。
水位が下がるとフロートと呼ばれる浮き球が降下してバルブが開き水が足され、適切な高さの水位になるのと同時にフロートが昇ることでバルブが閉じて供給が止まります。
このシンプルな構造のフロートバルブによってトイレ内の水が管理されて、快適な生活の維持へと繋がっています。
オーバーフロー管
管内の水位が一定の値を過ぎてしまわないようにキープすることで、トイレでの水漏れなどを防いでいるのがオーバーフロー管です。
トイレのタンク内部で水が上限値を超えてしまった場合、いらない分の水をこのオーバーフロー管が便器へと流してくれる役割をしています。
もしこのオーバーフロー管が壊れてしまうと、トイレタンクから水漏れが起こりトイレが正しく機能してくれなくなります。
ボールタップ
トイレ内部にある部品の中でも特に小さい部品で、トイレを使った後の自動給水と水が適当な高さへ到達した際の給水停止を行っているのがボールタップです。
このようにタンク内部の水位を適宜操ることで、効率よく水が流れていくのを保っています。
こちらのボールタップも壊れたりすると水漏れに直結するので、仕組みをわかったうえでメンテナンスを行う必要があります。
タンク
一見大きなだけに見えるトイレのタンクですが、内部は複雑な構造となっており、水を効率よく的確に送るための仕組みができています。
水を溜めておく・放出する・再び補充するといった一連の流れをコントロールするための部品が入っており、これらを精密に作動させています。
取り付けられているレバーを操作することで、内部のフロートバルブが上がって便器側に水が流れるといった基本的な動作を全てタンク内部で行っています。
排水路
トイレ内ではあまり目につきませんが、排水が流れていく排水路には構造・機能性に様々な工夫がされています。
トイレを使った後の水そして排泄物を下水道へと流す役割となっていて、基本的には「S字トラップ」という形状になっています。
この基本的な形状にしてあることで臭いが逆上るのを抑えながら、便器内部の水位を一定でキープしてトイレの衛生を維持しています。
水たまり
排水路と同じく水たまりもトイレ内部の臭いを抑えつつ、衛生的な部分の維持をキープするために必要です。
便器の内部で常に同じ量の水を維持し、悪臭が逆上っていくのを抑えながら、排泄物を洗い流すことも行っています。
水たまりはトイレが使われた後に新しい水がタンクから再び補充されることで、清潔をキープされる仕組みになっています。
水洗トイレの寿命について
何かと便利な水洗トイレですが、永遠に利用できるわけではなくその寿命は大体10年となっています。
寿命としては大体10年なのですが一定周期で掃除や部品交換といったことを行えば、10年以上使っていくこともできます。
変な音がしていたり水漏れの頻度が高いと言った場合、トイレ自体を買い替えるといったことを検討したほうが良いですね。
まとめ
今回はトイレの構造と仕組みに関して、トイレのタイプや細かく分けてご説明させていただきました。
トイレの構造はシンプルに見えますが意外と複雑な構造となっており、更に精密なものになります。
そのためちょっとしたことで壊れてしまったりする可能性が高いので、丁寧に扱うようにしましょう。
神奈川水道コラム~雑談と世間話~
豆知識「トイレのタンク」って実は…
トイレの洗浄(流す)には欠かせない、一気に流れる水は、便器の後ろにある「タンク」に貯めてあり、”流す”とそこから一気に水が排出されます。
しかし、最近はタンク自体見当たらないトイレもあったり、見た事もないタンクがあったりと、どんな種類があるのかな?と思った方、いらっしゃいませんか?
1、密結型ロータンク 一般的な家庭や商業施設に設置されている、組み合わせ便器に使用されているタンクです。密結パッキンで便器と接続されていて、便器の真後ろに設置される、長方形の形をしたタンクです。
2、隅つきロータンク 狭いトイレスペースなどで、密結型ロータンクを付けてしまうと、便器の前のスペースが無くなってしまう時などに使用してています。また、和式便器の場合は隅付きタンクのを設置してある場合が多いです。
3、タンクレスタイプ ”革新的”な、タンクのないタイプ。1や2と違い、タンクに水を貯めておく必要のない「水道直結型」のトイレです。水を貯めておく必要がないため、タンクがありません。
そして、連続して”流す”ことが出来ます。高層階に設置する場合は水圧を検証して、タンクレストイレに必要な水圧があるか確認する必要があります。
ただ、1や2と違い、給水は便器に直結しているので、家庭ではタンクによく付いている「手洗い」が付けられません。トイレ内で手を洗いたい場合、別に、手洗い器の設置が必要となります。
4,一体型トイレ 先述したタンクと便器および便座が一体となり、見た目がスッキリとした印象を与えるトイレです。スタイリッシュでおしゃれなトイレ空間にマッチしますが、水漏れなどで部品交換できない場合は、一式まるまる交換となります。
5、番外ハイタンク ロータンクと違い、天井近くに配置されるタンクで、引きひも式(ひもを引くと水が流れる仕組み)というチェーンがぶら下がっているタイプのタンクです。
現在は、施設などの小便器用に使用されることが多く、一般住宅では、見掛けることが少なくなりました。(参考:TOTO)
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