特にマンションのような集合住宅で人の入れ替わりなども多い場所だと、配管に何かしらのトラブルが発生してもおかしくはないです。
そこで今回はマンションでの配管交換工事のタイミングやかかってくる費用に関して、より詳しく情報を記載していきます。
配管の種類について
マンションなど住宅にある配管の種類としては以下の3つがあります。
- 排水管
- 給水管
- 給湯管
排水管・給水管・給湯管の3つで、生活に必要となる水の供給を行っています。
それぞれの配管の特徴について、以下でまとめていきます。
排水管
人々が暮らす建物の中で使用されて排出された水を、公共の下水道まで流してくれる管が排水管です。
排出される水とはいっても排水管一本でまとめているわけではなく、雑排水・汚水・雨水といった感じで分けて、それぞれ専用の排水管を使って流しています。
排水には様々なものが混じっていることが多く腐食しやすいので、そういったことに対応できるよう耐食性のある硬質ポリ塩化ビニル管が使われている場合が多いですね。
給水管
水道管に流れている水を各住居で飲料水などに使えるよう供給してきてくれる管が給水管です。
一軒家だと水道管から直接供給できる給水方式で問題がありませんが、マンションとなると高さがあるため貯水式など様々な方式での給水管を配置していることが多いです。
80年代の頃は鉛管が主流で使われていましたが問題が発生して使用禁止となり、現在は別の素材の配管が主流となっています。
給湯管
給水管によって運ばれてきた水の一部を給湯器へと送って沸かし、それを蛇口へと流してくれるのが給湯管です。
基本的に給水管に使われている配管の素材は熱に弱いことが多いため、それとは別にお湯が運べるよう熱に強い素材で配置された配管が給湯管と呼ばれていることが多いです。
耐熱性硬質ポリ塩化ビニル管が使われるケースが多いですが、鋼管やステンレス管が使われていることもあります。
配管の材質について
配管はその種類・用途によって、以下のような材質のものが使われます。
- 金属管
- ステンレス鋼管
- 硬質ポリ塩化ビニル管
- ポリエチレン管
水道が普及し始めた頃は鉛管や銅管といった金属管が使われていましたが、様々な問題が出た結果殆どが塩ビ管やポリ管に変わっています。
硬質ポリ塩化ビニル管は塩ビ管の正式名称でポリエチレン管と共に2024年現在は主流となっている配管です。
ステンレス鋼管は耐性の高い配管として使われるのですが、資材のコスト面が高いことがネックになっていますね。
金属管
前項でも記載していますが、水道が普及し始めた際金属管である鉛管・銅管が主流となって広まっています。
しかし、鉛管・銅管共に腐食耐性などが低かったため漏水の頻発や健康被害が発生したため、1978年に使用禁止となっています。
そのため現在金属管はほぼ使われておらず、未だに金属管となっているところは別の素材の配管に交換されるようになっています。
ステンレス鋼管
名前の通りステンレス素材で作られた配管で、腐食を始め高温・低温など様々な面への耐性が高い配管です。
それだけでなく環境面にも適した配管であるため、飲食店などの商業施設に設置されていることが多いですね。
かなり性能面の高い配管である分費用面が高くなってしまうのも特徴となっており、一般家庭では少し導入しにくくなっています。
硬質ポリ塩化ビニル管
長い名前の配管であるため略して「塩ビ管」と呼ばれており、2024年4月現在一番ポピュラーな配管となっています。
VP管やHIVP管・HTVP管といった種類があり、それぞれ地域の特徴に合わせて使い分けることができます。
塩ビ管だけで給水管・給湯管・排水管にそれぞれ配置して使っていくことまで可能です。
ポリエチレン管
塩ビ管と共に広く普及されていて「ポリ管」と呼ばれているのがポリエチレン管です。
耐熱性に耐震性が高くて加工がしやすいこともあり、給湯管利用に適した配管です。
現代では塩ビ管・ポリ管が配管として一番多く利用されていますね。
配管交換工事のタイミングを教えてくれるサイン
配管に以下のようなサインが出た場合、配管交換工事のタイミングとなります。
- 水漏れの発生
- 赤錆の発生
- 水の流れが悪い
水漏れや赤錆が発生したり、水の流れが悪くなった場合も配管交換工事のタイミングだと考えられます。
ここからは、上記の配管交換工事のタイミングとなるサインについて、詳細な情報をお届けいたします。
水漏れの発生
使われている配管の材質が樹脂管の場合、キッチンのシンクなどから熱湯を繰り返し流した結果劣化して水漏れが発生することがあります。
場合によっては配管の補強などでも済みますが、使用されている年数が長いものほど交換が必要になってくるパターンが多いです。
まずは水漏れの発生原因を突き止めて、必要なら配管交換工事を行うといった流れになりますね。
赤錆の発生
現在は配管に金属管を使うことがほぼないですが、築年数が長い建物ほど金属管が配管として残っていたりします。
金属管は腐食しやすい配管なので、経年劣化などで腐食した結果赤錆が発生し、水の中に混じって流れ出てきたりします。
そもそも金属管は様々な弊害が出やすい配管ですので、早めに他の材質の配管に交換してもらったほうが良いです。
水の流れが悪い
配管は長年使われると劣化が起こり、その結果として水流が詰まりやすくなります。
経年劣化以外でも詰まりが発生することがありますが、高圧洗浄などの洗浄を行えば解消されることが殆どです。
なので、洗浄を行っても詰まりがなおならなかったりちょっと経ったら元に戻ったりするようなら、配管交換工事を視野に入れたほうが良いです。
マンション配管交換工事の費用について
マンション配管交換工事の費用としては、配管交換工事だけで見るなら大体30万円ぐらいなことが多いです。
ただし、この金額は配管交換工事のみで考えたもので、実際に行う場合は建物内の床や壁の交換工事などが必要になります。
その結果トータルでの費用としては少なくとも50万円ぐらいで高いと100万円ぐらいになるのが相場となっています。
配管交換工事は全体的に行ったほうが良い
実際にマンションで配管交換工事を行う場合、共有部分が大家などの管理者側の負担になり、専有部分は個人での負担となります。
しかし、配管自体は共有部分・専有部分またがって配置されているため、どこか一部が経年劣化している場合全体的に経年劣化している可能性が高いです。
なので経年劣化が発生している一部だけを交換するよりは、マンション全体で配管交換工事を行ってまとめて支払ったほうが安くできる可能性が高いです。
個人ならリフォーム・リノベーションの際に合わせて行うと良い
マンション全体での配管交換工事は管理側が行うかどうかですが、専有部分の配管交換ならリフォーム・リノベーションの際にまとめて行うのが良いです。
配管交換工事は行う際必ず床・壁の張替えが必須になってしまうので、その分だけ費用が高くなります。
自室のリフォーム・リノベーションを行う予定があるのなら、その際にまとめて配管交換工事を行えば費用を抑えて行うことができます。
まとめ
今回はマンションでの配管交換工事のタイミングや費用などについて詳細な情報をお届けしました。
水道配管には3種類存在しており、それぞれの役割に合わせた材質のものが使われています。
築年数の長いマンションなどの建物ほど経年劣化などが原因で水漏れや錆が発生し、配管交換工事が必要になってきます。
一部でも配管に経年劣化が起こっているなら、極力全体の配管交換工事を行ったほうが良いです。
神奈川水道コラム~雑談と世間話~
豆知識「水回りのリフォーム時期」ってなに?
水回りのリフォームタイミングは、一般的に10年~20年頃を想定しています。
新築住宅を購入した場合は、15年を過ぎた時期からちょこちょこ不具合が生じてきます。
不具合とは、トイレの水の流れが悪くなったり、蛇口から水が漏れたりすることなどです。
見た目上は目立った傷がなくても、構造部分の腐食や劣化が進んでいることもあります。
たとえば、以下のような不具合が発生したら、水回りのリフォームが必要な時期と言えるでしょう。
キッチンの不具合
●蛇口をしっかり閉めても、ポタポタ水が漏れる
●シンクの排水口がつまって水が流れない事がある
●蛇口やシンク下の収納の中にある排水ホースからの水漏れがある
上記のような不具合は、主に給排水管やゴムパッキン、排水栓本体の劣化が原因となっており、これらの交換が必要でしょう。
浴室の不具合
●シャワーヘッドや蛇口からの水漏れ
●浴槽や洗い場からの排水が流れにくい
●水やお湯が出ない
キッチンと同様に給排水管やゴムパッキンの劣化が原因で上記のような不具合が起こります。
ただし、お湯に関してはサーモスタット機能の不具合が原因の場合もあります。
ゴミや髪の毛のつまりが原因で排水が悪くなっている可能性もあるため、確認してからリフォームが必要かどうかの判断をしましょう。
洗面所やトイレの不具合
●洗面台の蛇口からの水が出にくい・流れにくい
●トイレがつまって流れない
●いつも水が流れていて止まらない
●便器内部やウォシュレットからの水漏れ
上記のトラブルは、蛇口の吐水口の部品やゴムパッキン、タンク内部部品の劣化によるものが原因の一つとして考えられます。
トイレのつまりに関しては、大量のトイレットペーパーを一度に流そうとしてつまることも多いです。
これら水回りのトラブルが複数回起きた際は、日常生活に支障をきたすため早めに専門業者に相談し、リフォームを含めて検討したほうが良いでしょう。
(引用:大東建託リーシング)
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