一般的な給水管の寿命は15年とされていますが、実際は給水管に使われている素材によって寿命は異なります。
基本的には15年以上の寿命を持っており、素材によっては倍の30年寿命がある素材も存在しています。
この記事では素材ごとの給水管の寿命や対応方法などについて、詳細な内容をお届けいたします。
素材ごとの給水管の寿命について
給水管には主に以下のような種類があります。
- 水道用亜鉛メッキ鋼管
- 樹脂管
- 硬質塩化ビニルライニング鋼管
水道用亜鉛メッキ鋼管を始め樹脂管や硬質塩化ビニルライニング鋼管といった3つが主なものとなります。
ここからは、上記の素材ごとの給水管について寿命や特徴をお話いたします。
水道用亜鉛メッキ鋼管
配管用炭素鋼管という鋼管に亜鉛のメッキを施して、腐食しにくいようにした管が水道用亜鉛メッキ鋼管です。
耐久年数は15年~20年程度ですが、腐食はしにくいものの錆やすいことや不具合が多く出やすいです。
2024年現在はこの水道用亜鉛メッキ鋼管は給水管へ使用することを禁止とされていて、新規にこの管を設置することはできないようになっています。
樹脂管
合成樹脂が使用されている配管を樹脂管と呼び、別名合成樹脂管と呼ばれていて、ポリエチレン管やポリブテン管といったものがあります。
耐衝撃性・耐食性・低温特性・電気腐食に強いといった様々な耐性をもっていることもあり、寿命はなんと30年もあります。
ただ寿命が長いだけでなくメンテナンス費用も安く住むのですが、そのかわりに初期費用が他の素材の給水管と比較すると割高になりやすいです。
硬質塩化ビニルライニング鋼管
ビニル系樹脂を使って水道管内部をコーティングしている給水管を硬質塩化ビニルライニング鋼管と呼びます。
ビニル系樹脂のコーティングによって直管部分の劣化が起こりにくく、寿命年数は20~25年ぐらいになります。
継ぎ手部分が平成元年以前のものだと亜鉛メッキが使われていて錆や劣化が早く、平成元年以降のものだと「管端防食継手」が採用されていて、通常よりも長持ちしやすいです。
給水管の寿命が近づいた時の対処法
給水管は寿命が近づくと劣化などが起こるのですが、劣化は外側からだとわからないので、寿命が近づいてきたらまずは給水管の検査を依頼します。
X線や抜管・超音波肉厚測定といった検査で、給水管の寿命を確認してもらうことができます。
必要であれば業者に依頼して工事を行うこととなるのですが、大体の場合は更生工事を依頼する流れになります。
更生工事だけでなく給水管の交換も視野にいれる
給水管内部にどれぐらいの厚みが存在しているかによって更生工事を行えない可能性もあります。
そういった場合のために更生工事だけでなく、給水管自体の交換も視野に入れて更生工事を行うかどうか検討する必要がありますね。
更生工事・給水管の交換はどちらでも断水が必須となる工事なので、マンションなどで行う場合は工事に関する情報や日程を居住者の方々に説明しておく必要があります。
給水管の劣化などで起こり得ること
寿命が来ているにも関わらず給水管の更生工事や交換を行わなかった場合、内部で劣化が起こり始めます。
劣化することで内部で錆が発生してしまい、錆が原因で白濁水や黄水・赤水など怪しげな色の水が出たり水量そのものが減少したりします。
特に錆は健康面に悪影響を及ぼすものなので、建物内で水が実質使えない状態となってしまい居住者達とのトラブルに繋がりやすいので注意です。
まとめ
今回は素材ごとの給水管の寿命と寿命が近づいた際の対応方法に関してお話させていただきました。
給水管の素材には3種類ぐらいに分けることができ、物によっては一般的な寿命である15年の倍となる30年低度保つものもあります。
寿命が近づいた場合は更生工事を行うかまたは給水管自体の交換を考えてもよいですね。
放って置くと劣化によって錆などが発生し、居住者達とのトラブルになりやすいので、早めに対処するようにしましょう。
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神奈川水道コラム~雑談と世間話~
豆知識「更生工事」ってなに?
給水配管や給湯配管、排水のための排水管。配管したばかりの頃は「アフターメンテナンス」の事を”将来的に”と、あまり深刻には考えていないかもしれません。
しかし、給水配管に以前主流に使われていた材質は「鋼管」といい寿命は長くて20年。
給湯配管の「銅管」や排水管の「塩化ビニル管」は25年と、家の寿命より短いのです。
家自体の(外壁や屋根)リフォームやメンテナンスも欠かせませんが、隠れて見えない配管の事も忘れてはいけません。
更生工事というのは、元ある鋼管の中をキレイに掃除して、専用塗料を塗る事で配管の寿命を延ばすというもの。
鋼管の劣化が洗浄にも耐えられないほど進んでいると、更生工事もできません。もし更生工事を考えているならば、寿命とされている頃まで放っておくのではなく、5年に一度は配管の具合を確認する。といったように設備点検を心がけると良いと思います。
更生工事ができないほど劣化が進んでいる場合や、配管を交換したいと思った場合は「更新工事」という、配管の全交換。という方法もあります。
専門業者もありますので、まずは見積りを取ると良いかもしれません。(参考:PCGテクニカ)
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