オーナーが何度か排水管洗浄を行っているリピーター様で、焼肉をおごって頂けました。今回はシンクの排水管の清掃です。詰まり気味だったので、高圧洗浄を実施致しました。また、掃除し易いように掃除口も作成致しました。
【排水管の清掃】
シンクからと、排水がでる出口からの2箇所から高圧洗浄を実施致しました。店舗内に高圧洗浄機を持込み実施しました。高圧洗浄機はガソリンを使って二酸化炭素ガスが出るので、屋内に高圧洗浄機を持ち込むときは窓ガラスを開けて換気をする必要があります。水は店舗の水道を借りてホースをつなぎました。
管の曲がりが多い為、洗管ホースが中々進みません。根気よく押して引いてを繰り返し洗浄しました。最初は油脂の塊や濁った水が出ていたのですが、長い間繰り返していくと透明な水になったので、その時点で作業を完了致しました。最後にシンクの蛇口から水を流して排水管の出口からしっかり水が流れることを確認致しました。ただ、排水管が2箇所も逆勾配になっていたので詰まりやすい構造でした。
【掃除口の作成】
まず排水管の固定バンドを外します。次に写真の直管部の両端を、チーズが入る分だけレシプロソーで切断し、チーズを切った箇所に入れます。掃除口のネジ蓋を付けて完了です。これで次回からはお客様でブラシなどで清掃が可能になりました。もちろん酷い詰まりだと高圧洗浄を実施致します。
【勾配直し】
今回洗浄した箇所は2箇所も逆勾配になっていたので、非常に詰まりやすい構造でした。この排水管に繋がっているシンクは、手洗い用で食品を流さないので油脂量はすくないですが”逆勾配”なので定期的に清掃する必要があります。大きな冷蔵庫の裏に排水管が入っているので勾配直しは出来なかったのですが、何度も詰まるようだと冷蔵庫を出して排水管の勾配を直すこともご提案致しました。
【ピーピースルー】
アルカリ系の薬品で洗浄することも油脂詰まりには有効です。アルカリは油脂を溶解します。我々が持っているピーピースルーKは劇物なので市販はしていませんが、ピーピースルーFは市販で取り扱いしていますのでおススメです。ポイントは水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムの濃度が高い品物を使うことです。薬品の成分表に記載していますので、購入時に確認してください。アルカリは指につくとヌルヌルして指のタンパク質を溶かしますので手に付かないようにします。また、蒸気を吸うと気分が悪くなるので使うときは窓を開けて使って下さい。
【シンクの排水管の径について】
シンクの排水管は雑排水管といい、大抵はVU50の塩ビ管です。
VU40の管もたまにありますが、管径が大きい方が詰まりにくいです。
排水の場合は、給水のように水圧がかからないので、勾配が付いていなかったら排水が流れず詰まってしまいます。
また、トイレの排水は汚水管といい、VU75かVU100で、雑排水管より大きい管を使っています。
【排水管の施工について】
排水管の施工は勾配をみながら、直管と継手を専用の糊で繋いで行きます。
繋ぐときは管と継手それぞれに糊を付けて、手でグッと30秒以上、力を入れたまま固定するとガッチリ繋がります。
糊が塩ビ管を溶かすことで、管と継手が一体化します。
継手はエルボ、ソケット、チーズが大別して3種類あります。
エルボは11°、22°、45°、90°などがあり、管を曲げることが出来ます。
ソケットは直管と直管をつなぐ継手です。
また、持ち出しソケットは管内に挿しこめるソケットです。
ヤリトリソケットという伸縮性のソケットもあります。
これは両端が固定されて動かない、管の間にヤリトリソケットを入れることで接続ができます。
チーズは、1方の管を2方に分けることが出来ます。
逆に2方の管を1方に合流させることも可能です。
これらを、現場の状況を見ながら組み合わせて施工します。
現場を見て対応方法をご提案致します。
神奈川水道コラム~雑談と世間話~
排水勾配が逆になっていたと本文で書かれていましたが、どういう事かご説明します。
豆知識「排水の勾配」について
排水は、室内から家の外へ、敷地内から道路に設置されている下水管へ流れていきます。床下や天井裏の配管の場合は「床バンド」という高さを調整するバンドを用いて勾配調整を行います。
皆さんご存じのように、水は高いところから低いところへと流れていきます。排水管も同様に勾配をしっかり付けないと、排水がうまく流れず詰まってしまいます。
排水系統も、同様の原理を利用して、家の中の配管は道路の下水管より高い位置に設置してあります。排水桝も道路に向かって低く設定します。そして、一定の基準に基づいた勾配(傾斜)で配管を道路の下水管までつなげているのです。
既定の排水勾配は「1/100」です。簡単に言うと、100mの距離で高低差を1m付けなければならないのです。
基準は『東京都排水設備要綱』(令和4年3月改訂)によって定められています。
豆知識「キッチンの排水口を詰まらせないために」
キッチンは料理に油を使います。ご存じのように、油は温まると水の様にサラサラになります。逆に言うと、冷えると固まってしまうのです。そして、食器に付いた食べかすや肉汁。これらも排水管にそのまま流してしまうと詰まりの原因となるのです。出来るだけ、排水口にネットを掛けたり、食べ残しは三角コーナーなどで直接排水口に流さないようにしてください。
何か野菜などを茹でた際、湯煎などで使用したお湯があった時に、是非行っていただきたい排水管への優しい詰まり解消デトックスです。
まず、その茹でた後100℃近いお湯を、そのまま絶対排水口に直接流さないでください。熱湯を排水口に流すと、家の設備にもよりますが、配管を傷める原因になりますので、お気を付けください。
一旦、その熱いお湯をたらいやバケツなどに入れ、水を足して50℃くらいまで温度を下げます。たらいやバケツなど、”一気にお湯を流す”くらいの量を目安に貯めたら、そう、一度に排水口へ一気に全部のお湯を流します。
そんなに茹でたりお湯が出ません。という方は、給湯器でも60℃まで温度設定を変えられるので、やけどしないように注意しながらお湯を貯めて、一気に流してみて下さい。
2週間に1度など、定期的にデトックスするだけで、キッチンのシンクからの排水が原因での排水管(下水管)のつまりは、防げる可能性が高くなります。
※異物(溶けないもの・固形物)は詰まりの原因になりますので、高圧洗浄機でも砕けませんので、ご了承ください。
豆知識「VP管・VU管」ってなに?
塩ビ管と言われて想像する、灰色の硬質ポリ塩化ビニル管です。
正式名称「硬質ポリ塩化ビニル管」といい、排水管は管径がφ40~φ150程度まで使われており、パイプの肉厚により言い分けられています。
VP管:厚肉のVP管は圧力管路を中心に幅広い用途で活躍しています。
屋内外の給水管、雑排水管として利用されています。トイレはΦ75、100、雑排水(台所、洗面所、洗濯機、お風呂)はΦ40、Φ50が一般的です。
内面が非常に滑らかで摩擦抵抗が小さくスライムなどが付着しにくいため、長年にわたり効率よく排水できます。
VU管:VP管と比べて薄肉です。VP管より低い設計内水圧向けとして制定されています。
主に一般の戸建住宅や簡易な排水設備などの無圧管路に使用されます。
薄肉管なのでVP管と比べて重量が軽くなっていますが、中~高圧管路用には使用できません。
また、径が小さい程、曲がり幅を小さく出来るので狭いところの作業は容易です。
(参考:塩ビ管の種類)
豆知識「排水管詰まりは人間で言うと血栓」
排水管は、色々な素材で出来ています。
鉄管や塩ビ管などなど。
しかし、その排水管の中を通る排水は、どの家庭も変わらず、キッチンや洗面所やお風呂や雑排水と呼ばれる排水です。(トイレは別系統の下水管を単独で通って下水桝へ流れ込みます。)
その中でも、一番の詰まりの原因は、キッチンのシンクに流される、お皿やフライパンなどを洗って出る「油脂」です。たまに、油自体を排水口に流してしまう人もいると聞きますが、もっての外。やめましょう。
排水管は、人間で言う処の「血管」です。
血管の内側に、高脂血症や慢性疾患によって、血液が固まりやすかったり、溶けにくい性質になったりする事によって、徐々に血管の周りに少しずつ着いた血栓が、最終的に完全に血管を塞ぐことがあります。
それによって起こるのが「心筋梗塞」や「脳梗塞」などの重大疾患です。
前置きは長くなりましたが、排水管の中でも同じような事が起こっています。
血栓と同じ役割を果たしているのが、先ほど説明した「キッチンなどから流された油」であり、排水管の詰まりは、排水管の脳梗塞とも言えるのです。
キッチンは料理に油を使います。油は温まると水の様にサラサラになります。その状態で排水口に流してしまうと、途中で冷えてしまいます。冷えて固まってしまったものは”油脂”と呼ばれ、ラードのように粘度が増し、排水管にくっつきやすくなります。
そして、食器に付いた食べかすやご飯粒。これらも排水管にそのまま流してしまうと、油脂の着いた排水管内にくっつき、詰まりの原因となるのです。
出来るだけ、排水口にネットを掛けたり、食べ残しは三角コーナーなどで直接排水口に流さないようにしてください。
●神奈川水道(水道局指定工事店)~弊社について~
【弊社作業内容】
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